賽は投げられた。―寿司のために。
現代において、回転寿司はもはやエンタメの一種である。
江戸時代、またその以前より、寿司は日本人の心を癒す食べ物として、所謂「和食」の代表の一員を担ってきた。海外ではあまり考えられなかった、一握りの酢飯に、一切れの刺身が乗せられたような食べ物。その、シンプルながら、唯一無二の旨さを誇る寿司は、日本人のみならず、海外でも多くの人間を感動の渦に巻き込んでいた。
その寿司は、1958 年、回り始めたという*1。今までの、「注文して作ってもらう」形式に加え、「やってきた寿司を自由に取って食べる」という新たな形式が加えられた、いわば半セルフサービスの回転寿司は、これもまた多くの人々の心をつかんだ。注文してから作るという従来の営業形式は、回転寿司によって廃れ逝くかと思いきや、現代の寿司屋を見れば、そのような営業形式は一般庶民に「回らない寿司」などと呼称され、今なお多くの店で生き続けている。日本とは如何に美しい国であろうか。
そんな回転寿司に、私、かんてん（@Kanten4205） はもう何年も行っていない。最後に行ったのはいつであろうか、未就学のときであろうか...
回転寿司... 久しぶりに行ってみたいものである。常々そう思っていた。そんな私の目に、1 本の記事が飛び込んできた。
ダイス寿司で、日常にスリルを【ダイス寿司#1】
この記事を読んでいると、誰かにやらせてみたい、と思ってしまうのは私だけではないだろう、否、そう思ってしまうのが私の愚かさなのかもしれない。そう思った私は、大親友である zuka (@zuka0950) に、この記事を読ませた。すると...
めっちゃ乗り気だった。
彼はしばらく回転寿司には行けないというので、彼を仕掛け人に加え、一緒に計画を練ることとなった。
しかし、私は内心思っていた。「もう一人くらい、仕掛け人いてもいいな... 」と。ターゲットは、後で決めればいい。とりあえず、もう一人仕掛け人が欲しかったのだ。少し悩んで、私はもう一人、暇そうで、しばらく回転寿司に行かなそうなツイッタラーがいることを思い出した。
――― マサ酉 (@masa_dori) である。彼に、同様に LINE で聞いてみた。すると...
こいつも乗り気だった。
そんなわけで、私、zuka、マサ酉の 3 人で仕掛けることとした。
誰をターゲットにするか――――――。決めるのにそこまで時間は要らなかった。全員の意見は一つしかなく、しかも一致していたのだから。
とりあえず、ダイス寿司専用の、discord 鯖をこしらえる。そして、今回のターゲット ――――― Hanazaru (@hanazaru2) に、この話を持ち掛ける。
や ら せ る 。
彼を例の鯖に入れ、準備は着々と進んでいった。
そして、日時が、決まった―――――――――――。
ターゲット
- hanazaru
加害者
- かんてん
- zuka
- マサ酉（hanazaru と一緒に寿司屋に行った）
ルール
- 全員で、メニューにあるものの中から、hanazaru に食べさせたい（食べたい）品目を一つずつ発表する。ただし、法に触れるため酒類を指定してはならない。また、一度 hanazaru が食べたものは選んではならない。
- 全員の品目が出そろったら、Dice_bot を使って、4 面ダイスを振る。
- 「1」が出たら hanazaru 、「2」が出たら zuka 、「3」が出たらマサ酉、「4」が出たらかんてんが選んだ品目を、hanazaru は注文しなければならない。ただし、品切れだった場合は、証明となる写真を添えてその旨を報告すること。品切れの場合、もう一度品目を選択しなおす。
- 注文したものは残してはいけない。
- 注文して、机に届いたら、その写真を指定のチャンネルに投稿しなければならない。同様に、完食した場合も写真を投稿しなければならない。
- 我々で選んだもの以外のものを食べてはいけない。ただし、例外として机に置いてあるお茶は飲んでもよい。
- hanazaru が満腹になるまで、繰り返し行う。
- hanazaru の最寄り店で hanazaru に注文してもらうため、メニューは「くら寿司」のものを使用する。
開始！！！！！！
1皿目
なぜか彼らは開店時間前に席に座れたようだが、予定通り 11:00 から、戦いは始まった。
早速、1 皿目に食べるものを決めよう。皆は何を選ぶのだろうか...
いきなりカオスである。最初から出汁を飲ませようとする者もいれば、最初から食べ終わりの口にしようとする者もいる。こんな人々が同じ高校の同期であるとは思い難い。
では、最初のダイスを振っていこう。我々の、運はいかに―――？
hanazaru が最高の出だしをキメた。出汁だけに。
しかし、くら寿司は、我々をも驚かせる衝撃の事実を秘めていた。
注文してから、寿司が来るのが、異常に速いのである。くら寿司め、よくやるじゃねえか。
こうして、平和なスタートが切られた。
1 皿目：極み熟成マグロ
2 皿目
くやしい。とっとと 2 皿目を決めてしまおう。
なんということであろうか。ここで担々麺と和菓子が競り合ってしまっている。残りも、サーモンは王道であるが、チャンジャにぎりは、寿司ネタの中でも類い稀な「ハズレ」なのではないだろうか。
- サーモン
- 【お正月 和菓子】 虎
- チャンジャにぎり
- 胡麻香る担々麺
2 皿目にして、がけっぷちに追いやられる hanazaru。先ほどの運の良さを、見せつけられるか...？
hanazaru、負けた。
今までに、開店直後に和菓子を食いに来た高校生がいただろうか。マグロの後に。開始早々、食べ終わる口へと近づいていく。
彼は、このお菓子をゆっくり嗜んでいたようである。
当然ここで終わるわけにはいかない。次の皿へ...
2 皿目：【お正月 和菓子】 虎
3 皿目
3 皿目に移ろう。もう少しまともなものを選んであげようか、否もっと食べ終わりの口にしてやろうか... 悩みに悩んだ。
選ばれたのは、後者だった。ついでに zuka もアイスを指定している。なぜこう食べ終わりの口にしようとするのだろうか。
hanazaru は、わかっている。次で 2 か 4 が出てしまったら、おしまいだ。彼の頼みの綱は、マサ酉だけになってしまった。
頼みの綱は、切られてしまった... 2 回も連続でデザートを食べる。しかも、まだ正午にもなっていないのに。
私たちも、わかっている。次もデザートでは、さすがにまずい。そろそろ、方針を切り替えなければ――――
3 皿目：なめらか豆乳アイス バニラ
4 皿目
4 皿目、私は決めていた。飲み物を挟もう。一息ついてもらおう。でも、他の人は寿司を投げるかもしれない。果たして...
hanazaru 以外は全員シャリコーラを選んでしまった。まあ、そりゃそうだよね。
- 肉厚とろ〆さば
- シャリコーラ
- シャリコーラ
- シャリコーラ
そりゃそうだよね。
微妙な色合いである。彼は炭酸が苦手らしく、余計に面白いことになってきた。さあ、その味はいかがだろうk
やりやがった。せっかく私たちが心を込めて指名したシャリコーラを、吹き出させたのだ。味もクソもない。この事件ですべてがかっさらわれてしまった。なぜだ。彼はコーラを振らなくてもよかったのに。下に沈殿があったとしても。
そして同時に、動画を回させておけばよかった、という後悔が、私の脳内を占めていく。次こそは、動画を...
4 皿目：シャリコーラ
5 皿目
後悔が頭を埋め尽くさないように、さっさと 5 皿目を決めてしまおう。次こそは寿司を投げるぞ....
たら白子ジュレポン酢、外れ枠だろ。あと zuka はマジでなんなんだ。
- 赤貝
- 7 種の魚介 濃厚味噌ラーメン
- 味玉
- たら白子ジュレポン酢
ここでラーメンが当たったらお笑いである。どうだろう。
いい感じに私のが当たった。画像を見るに、ちょっとジュレポン酢が載っているんだろう、だから醤油で食うのはバカだな、と思っていた。しかし....
半分くらいポン酢が占めてるじゃねえか。
どうなっているんだ。醤油をつけるつけないどころではない。バカが考えた寿司みたいな見た目をしている。草
5 皿目：たら白子ジュレポン酢
※余談だが、マサ酉も、hanazaru に同席し、目の前でクソ旨い寿司を食いまくっていた。
6 皿目
まとも（笑）な寿司を食えたところで、6 皿目に移る。
やはり zuka だけ頭のねじが外れすぎているようだ。学校で、いい工場を紹介してあげたい。
しかもよく当たる。本当に面白い。
Dice_bot 、いい仕事するじゃん。こうでなければ面白くない。ダイス寿司、はまっちゃうな。
6 皿目：宇治抹茶入り緑茶
7 皿目
ちょっとお腹がたぷたぷいってそうな気がするが、7 皿目にいこう。こなったらもっとたぷたぷさせるぞ。うしたぷたぷにきあくん
汁物という点で、zuka と被った。仲良し二人組～
- マグロユッケ
- あおさ入り 赤だし
- 伝説の鶏唐揚げ
- お出汁 たこ焼き
3 、ちょっと当たりじゃね？
3 が当たってしまった。とはいえ、お財布に幾分かのダメージを与えられたので、大満足である。伝説の鶏唐揚げを食う、伝説のダイス寿司。こんなクソ伝説があってたまるかよ。
7 皿目：伝説の鶏唐揚げ
8 皿目
8 皿目は、ちょっと重いのを投げよう、と決めていた。
みんな普通だ。相変わらず、zuka だけは想像の斜め上を飛びまくっているが。というか、hanazaru のツイッター知ってる人あまりいないんじゃないか？（悪口）
これで 2 に当たったら面白い。私なんかすぐ RT しちゃう。しかも、今までの傾向を見る限り、2 が当たる確率が大きそうだ。これは期待できる...！
なんやねん。普通に寿司やないか。やはり、hanazaru にとっては、マサ酉だけが頼みの綱のようである。さっき切れてたけど。
8 皿目：特大切り豚角煮一貫
と、このタイミングで、7 皿目に頼んだ鶏唐揚げが到着した模様。
9 皿目
9 皿目。いよいよ終盤に差し掛かるというところ、どのように攻めるのだろうか。
どうも私と zuka は気が合うらしい。漫才でもやっとけ。
- はまち
- こせち
- ホタルイカ沖漬け
- こせち
こせち、500 円くらいするので普通に重い。これが来たら、アツい。私のギャグは寒いけどね
こせちが決定。みんな大興奮である。
売り切れてたらしい。即落ち 3 コマ。
そんなわけで、やりなおしである。
やはり、zuka はちょっと外れているところがある。
- えんがわ
- 乳酸菌ウォーター
- 黒毛和牛牛すき焼き風
- 鶏塩パイタンらーめん（関東）
hanazaru 、久しぶりに当たった。えんがわ、うまいんだよな、まじで。他の人間はどうもキレてるみたいだけど。
いいなー
9 皿目：えんがわ
10 皿目
あたりを引かれたので、そろそろこちらもやばいものを投げるしかない。辛いのいくか...
くら出汁の再来である。この現象は、なにか別名つけたほうがいいだろ。
最初は、くら出汁が出なかった。今度はどうだろうか。
運が良すぎるだろ。zuka はこれまで何回当たってるんだろう。そして、くら出汁のお見舞いである。飲み物は 3 つ目。お腹もちゃぷんちゃぷんいってることだろう。おもろい。
10 皿目：くら出汁
11 皿目
ここで zuka が一瞬抜けてしまった。3 人でやろう。そして、11 皿目で、一回休もう。
サラダ軍艦ってなんだよって感じだが、まあおもしろい。
- あなご
- サラダ
- くらポテト（ケチャップ）
キター－－－－－－－－！！！！ポテトだ
11 皿目：くらポテト（ケチャップ）
休憩
ちょっと休憩してたら、マサ酉がとんでもねえこと言ってた。
M か？こいつ
とりあえず 1 ラウンドだけ付き合ってやろう。
最初にやるって言ったくせに「まともなのねえ」とか言うなよ。
おもしろい。
なんだこいつ。寿司屋で寿司食うなよ
こんな茶番をやってたら、hanazaru がこんなことを言った。
飲み物を大量に頼んだのは誰ですか？
というわけで、あと 1 ラウンドになりました。
12 皿目
最後は、当然エグイものを投げるのが定石ですよねー。
ちゃんとデザート投げてる人もいて、えらい。
ラーメンかデザートか。どうなるか...？
最高。
しかし、hanazaru は、ラーメンを全部食いきれないかも、と言っている。付き添いのマサ酉も、厳しそうである。
ここで、hanazaru がくら出汁を飲み切ったらしい。
それはさておき、110 円のもの限定に縛ろう、ということになった。110 円縛りでの最終ラウンドである。
私には、もう一つ投げたいものがあった。これを投げさせてもらおう。
なぜ zuka と被ってしまうのだろう？
- ミルクシューアイス
- 乳酸菌ウォーター
- チョコケーキ
- 乳酸菌ウォーター
正真正銘、最後の一振りである。
キタ－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－！！！！！！！！！！！！！！
最後で強運を発揮した zuka 。最後に hanazaru の腹をたぷんたぷんにすることに成功した。
12 皿目：乳酸菌ウォーター
～終戦～
戦いは終わった。結果は以下のようになった。
- 極み熟成マグロ
- 【お正月 和菓子】 虎
- なめらか豆乳アイス バニラ
- シャリコーラ
- たら白子ジュレポン酢
- 宇治抹茶入り緑茶
- 伝説の鶏唐揚げ
- 特大切り豚角煮一貫
- えんがわ
- くら出汁
- くらポテト（ケチャップ）
- 乳酸菌ウォーター
めっちゃ面白かった。
またやりたい。次は誰ターゲットにしようかな...
